Fenderギターアンプ SHINOS篠原勝のおすすめ名機5選!

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アンプテクニシャンとして、僕はFenderのギターアンプに魅せられてきました。「自分でもギターアンプを作ろう!」と試行錯誤しながらオリジナルのギターアンプを製作したのは、Fenderのギターアンプがあったからです。

今回は、Fenderのギターアンプに絞り込んで、篠原勝がおすすめする名機5選を紹介します。それぞれの解説の中で、別の機種についても触れていきます。

Fender Bassman 5F6-A


AMPEARESより引用
Fender Bassman 5F6-A

まずは真空管ギターアンプの基本中の基本といっても過言ではないFender Bassmanから。このアンプには憧れましたね。アンプテクニシャンであれば、Bassman 5F6-Aを避けては通れません。

MarshallもBassmanのコピーから始まっているんです。まったく同じではありませんが、回路をみるとBassmanを参考にしていることが分かります。しかし、音はまったく違います。

Fender Bassman 5F6-Aで、真空管アンプの回路をかなり研究しました。自分でコピー機を作ったこともあります(※下記の自作真空管ギターアンプ製作 ~SHINOSのスタート1~参照)。ギターアンプの回路図を理解したいならコレです。その意味ではSHINOSにとっては縁の深い機種です。

この機種以前にもBassmanはありましたが、5F6-Aでフェイズインバーターが最新になるなど、回路に変更が加えられました。回路をどんどん改良していった結果、この5F6-Aで究極の域に達して完成した印象があります。

整流管と6L6搭載のシンプルな回路。キャビネットはパイン材の単板を使い、ツイード貼りされた、Jensen 10インチスピーカー4発という見た目もかっこいい。心地よいパンチのあるサウンドを出してくれます。 Volumeを下げた状態では、ビンテージのクリーントーンが出ます。上げると独特な歪みが得られますが、ノーマルチャンネルだと低音域が少しダブつきます。チャンネルをリンクして使うのもありだと思います。Volumeを上げると大音量になってしまうので、クリーン寄りの音で使うのが好きです。

Fender Twin-Amp 5F8-A

Reverb.comより引用

Fender Twin Reverb AB763は「Fenderギターアンプの代名詞」ともいえる存在でしょう。

「それなのに、なぜTwin ReverbではなくTwin-Amp?」

名機5選にTwin Reverbがないことを疑問に思う人がいるかもしれません。

しかし、あえて僕は50年台のTwin-Ampを推します。というのは、Rolling Stonesのキース・リチャーズが愛用しているアンプだからなんですね。キースのサウンドが大好きなので、Twin-Ampが大好きなのです。このアンプはヤバイです。これぞロック!

6L6を4本使ったパワフルなアンプで、音圧は半端じゃありません。ただ、音がでかい。日本のコンサート現場では使いにくいギターアンプです。時代はもはや爆音ライブの方向ではないので、Twin-Ampを現場で使おうとすると嫌われてしまうかも。

Twin-Ampはツイード期の王者と言ってもよいでしょう。クリーン、クランチ系で使うと最高です。回路は少し違いますが、Twin-Ampにリバーブとトレモロが付いたのがTwin Reverbです。 Fender Twin Reverb AB763は、85Wの出力を持つパワー管6L6を4本搭載した、パラレルプッシュプル動作が特長。ヘッドルームが広く、クリーントーンが絶妙ですが、アンプ単体で歪ませる使い方はおすすめしません。リバーブ、トレモロが心地よく効いて、Fender基本の音という印象があります。

Fender Deluxe Reverb AB763


GGJaguar’s より引用

僕的にDeluxe Reverbを評価する理由は、Bright Switchが付いていないこと。Vibrato Channelには47pFのハイパスコンデンサが入っていて、ほどよくハイエンドが伸びて、とても良いレンジ感なんです。キャビネットの大きさも小ぶりで好きです。

個人的にパワー管6V6の音が好みで、このDeluxe Reverbのパワーアンプ部分を参考にして作ったのがSHINOSのギターアンプです。SHINOSのギターアンプでは、6V6を4本使っています。

ロックバンドで使うと20Wほどの出力は、少々音圧が物足りないかもしれません。しかし、クリーン、クランチ系の音が凄くよいのです。

同時代のFender Concert-Amp AB763 10×4も、押しのあるクリーントーンと音圧が魅力的なギターアンプです。6L6をプッシュプルで動作し、整流管を使用せずに、ソリッドステート整流器を使用。Jensen P10Rが4本搭載されています。

Fender Vibro King

Fender Vibro Kingは、Rolling Stonesのロニー・ウッドが愛用しているアンプ。これも音はでかいです。音圧は十分すぎるほどあります。

Master Volumeが付いていないので、でかい音で鳴らすしかありません。スピーカーは4発ではなく3発です。これが登場したときには、本当に「音がかっこいい!」と思いました。6L6を使っていながら、これまでのFenderのアンプとは明らかに違うサウンドでした。 パキーンとして、やや硬い音と感じることはありますが、それもVibro Kingらしさ。ピッキングの繊細なニュアンスに、よく答えてくれます。クリーントーンですが、Volume 7くらいまで上げると、とてもいい歪み方をします。現在も人気があるギターアンプです。

Fender Tone Master

reverb.comより引用

ブルースジンキー設計のヘッドアンプ。Vibro King と同時期ぐらいに登場しましたが、こちらの方が使いやすいでしょう。Master Volumeが付いて、クリーントーンとハイゲインの2チャンネル仕様になっています。

このアンプを使って最初にギターを弾いたとき、とてもよくできているアンプだなと驚きました。

Fenderでは珍しくハイゲインの歪み系の音が出せます。6L6を4本使ったパワフルアンプです。音圧は半端じゃないです。

しかし、シャーシが高熱になるので、ファンを付けて使っていました。そうやって冷却しないと、Power Switchが熱くなって触れることができないからです。

Fenderギターアンプの魅力を引き継ぐSHINOS

50年代のFender Champ 5F1、Fender Deluxe 5E3を参考にして、自作したことがあります。
(※下記の自作真空管ギターアンプ製作 ~SHINOSのスタート1~参照)

Fender Champ 5F1は小型ですが、整流管5Y3を使用して、パワー部は6V6のシングルアンプです。これぞ本当のクラスA1級動作のアンプ。

Fender Deluxe 5E3も整流管は5Y3を使っています。パワー管は6V6をプッシュプル動作、12インチスピーカーを搭載したギターアンプです。Champよりも出力があります。ボリュームを上げて歪ませて、ブルースを弾いたら最高!!

Fenderギターアンプに惹かれて回路を研究し、自作を始めたことからSHINOSのアンプは生まれました。真空管ギターアンプとして多くのギタリストに称賛されているFender製品の魅力を継承しつつ、SHINOSもプロのミュージシャンに愛されるアンプを作っていきたいですね。

SHINOS 代表・Master Builder 篠原勝

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