The SAMURAI Road Crew : THE MODS(ザ・モッズ): Guitar Tech 篠原勝(Masaru Shinohara)

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CROSS BRIDGEがお届けする日本のトップミュージシャンを支えるトップギターテクニシャンを紹介するYouTube番組「The SAMURAI Road Crew」。

長年、THE MODSのライブ本番の守護神としてステージ上手袖で見守っている人物こそが、ギターテクニシャンSHINOS代表、篠原勝である。

ボーカル・ギターの森山氏が愛用しているテレキャスターをはじめ、ボディーに施された加工についてや、ブラックテレキャスターの交換されているネックについてなど語ってくれました。 SHINOSギターアンプは、THE MODS森山氏から始まっていたという話し、ベースアンプやベース本体を作る経緯の話し、THE MODSの現場を知り尽くしているからこそ、普通楽器メーカーでは生まれないであろう発想など。 最後には篠原がTHE MODSについて語っています。

The SAMURAI Road Crew :THE MODS

Guitar Tech: 篠原勝(Masaru Shinohara)

MC:ITSUKAAMP UP オーナー

Videography:AUSTIN Studio

Powerd by CROSS BRIDGE

The SAMURAI Road Crew THE MODS Gallery

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最初はTHE MODSメンバーもお客さんも怖かった

1999年のJUNK YARD TOURの少し前からTHE MODSのギターテクニシャンを担当している篠原氏。最初、声をかけてもらったときは、メンバーもお客さんも怖い印象だった。それでも参加していくうちに馴染んでいき、21年経った今でも担当している。

THE MODSのステージの様子を間近で常に見てきた篠原氏に使用機材を紹介してもらった。

森山達也(Vo,G)が愛用するテレキャスターの数々

森山氏が長年メインで使用しているブラックテレキャスター

先ず最初に紹介してくれたのは、ブラックテレキャスター。通称、黒。森山氏が長年メインで使用しているギター。このギター、実はネックがフェンダーではないそうだ。フェンダーのメイプル指板が森山氏の音のイメージと違うということで、ローズ指板のネックに作り替えたのだ。ネックの裏にはKanjiとロゴが入っている。Kanjiギターとは篠原のギターの師匠である川畑 完之(カワバタカンジ)氏【 https://www.instagram.com/kanjikawabata/ 】のギターメーカーで、Kanjiさんが作ったネックなのである。

Kanjiギターが作ったローズ指板のネック、裏にはKanjiのロゴ

そして、ギターの裏には「CATCH ME」という文字が森山氏によって描かれている。モッズファンのみなさんはご存知だろうが、なんと、ライブ中にステージのど真ん中から袖にいる篠原に向かってギターが飛んでくるのだ。打ち合わせもなく飛んでくるギターを一度も落としたことはないそうだ。最近はどの曲で飛んでくるのか打ち合わせをすることもあると教えてくれた。

続いて紹介してくれたのは、キャンディーアップルレッドのテレキャスター。シリアルナンバーから推測するとブラックテレキャスターと同様の71年から73年のモデル。このレッドはピックアップをいろいろと変えてきたが、どんなピックアップを載せても音が一番明るくパキーンとした音がでるそうだ。森山氏のギターにはステッカーや塗装が施されているが、どれも本人が行っておりセンスがとても良い。

次は焼けてイエローがかっている66年のホワイトテレキャスター。こちらは、10年以上前に森山氏に良いテレキャスターが欲しいと言われ、篠原が楽器屋を探して見つけた1本。渋谷の楽器屋に手ごろな値段でいいテレキャスターがあるとの情報を伝えたところ、森山氏が自分で試しに行き購入してきた。こちらもピックガードが塗装されている。買った当初は66年製ということもあり、ライブ中に投げることはなかったが最近は年代に関係なく投げてくるそうだ。森山氏はロックンローラーでコレクターではないので年代は関係ないのだ。

ギターの裏には「FLY JOE FLY」と書かれており、The Clashのボーカル&ギターのジョー・ストラマーへ向けたメッセージだと思われる。森山氏が所有しているギターの中で、今、ネックシェイプなどが一番気に入っているギターがこのホワイトテレキャスターでしっくりきているようだ。

最後に紹介してくれたのは、ギブソンレスポールジュニア P-90。このギターはミッドを聞かせたいような割と激しい曲で使用されている。

実は、今回紹介してくれた4本すべてはボディーがくり抜かれているという秘密を教えてくれた。ITSUKAも軽々と片手で持てるほど非常に軽い。最後に紹介したレスポールジュニアは篠原がくり抜き、他の3本はKanjiさんによってくり抜かれている。ただ、くり抜いても音は悪くならないと篠原は言う。

北里晃一の使用楽器は篠原が製作した世界に1つだけのベース

まずは、北里氏がメインで使用しているベース。2011年頃、ステージ上の低音がまわってしまうという問題が勃発。依頼を受けた篠原が低音を押さえたオリジナルベースをSHINOSで作り上げた。もちろんロゴはSHINOS。こちらは、変わったベースでムスタングだけどロングスケール、ジャズべタイプのピックアップである。北里氏専用の世界に1つだけのベースである。

続いて、元々メインで使用していたムスタング。ピックアップをいろいろ変えて試行錯誤してきたベース。チープな音だがそれが味でもあり魅力でもある。

ギター、苣木 寛之といえばギブソン・レスポール

苣木氏といえば、レスポール!2本のギブソンを紹介してくれた。1本目はメインといってもいい69年製、ブラックビューティー。とてもレスポールっぽい艶のある音で、数年前に篠原によってフレット交換をし非常に良い状態になっている。

続いて、苣木氏がずっとほしがっていたという68年製のギブソン・ゴールドトップ P-90。このギターはとてもレアで探している人は多いのではないか。

アンプはギターもベースもSHINOS製

篠原といえば、日本を代表するアンプメーカー、SHINOSアンプのマスタービルダーということは皆さんご存知だろうか。なんと、森山氏が愛用しているSHINOS M-13は、篠原が製作したアンプの初号機である。約20年ほど前、篠原がアンプビルダーになりたいとアンプの勉強をしていた姿をよく見ていた森山氏が、篠原にオーダーして製作された思い出のアンプなのだ。クリーン、クランチが出せてリバーブなどついていない非常にシンプルなアンプである。初号機だったためロゴがなくトーレックスも劣化してきたため、数年後にキャビネットを作り代えて現在はSHINOSロゴもしっかり取り付けられている。

そして、こちらが北里氏のベースアンプ。篠原が製作したムスタングロングスケールのベースと同様、ステージ上の低音問題を解決するために依頼され、THE MODSのステージ上の音を知り尽くしている篠原が余計な低音を省き、タイトなローが出るように設計したものだ。完成した時点では15インチのベース用スピーカーを搭載していたが、篠原の想像していたサウンドと違ったため、すぐに12インチのギター用スピーカーに変更した経緯がある。

最後に篠原からメッセージ

来年、THE MODSは40周年です。約半分一緒にいますが、これだけ長くやってこれるってことは、森山さんがライブが大好きということに尽きるんじゃないかと思います。打ち上げでお酒飲んでるときに森山さんに聞いたことがあるんです。「森山さんってライブ好きですよね?」と。「好きやねー」と即答でした。

最初、THE MODSのギターテクニシャンとして付いたときは、メンバーもお客さんたちも怖い不良の人たちにしか見えなったですが(笑)、今はいい人に見えますね。だって、TWO PUNKSやLOOSE GAMEでお客さんも泣いてるんですよ。それを見てるとこっちもジーンときちゃって。お客さんもかっこいい、一体感になっているのが最高なんですよね。

いろんな現場に行きますが、THE MODSのツアークルーの一員というのが僕にとっては、一番ロックで入れる場所なんですよね。THE MODSが存在する限り、一生THE MODSに付いていくしかないですよね。僕もお客さんも!

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